初めまして。ピアノテクノワタナベ の代表 渡辺幹雄です。

miki03102008-01-28

初めまして。ピアノテクノワタナベ の代表 渡辺幹雄です。

ピアノの調律、修理、販売まで行っています。

ブログのプロバイダを引っ越し、リニューアルしました♪

第一回目は、ピアノ調律の保守点検について、ちょっと真面目にピアノの保守点検に述べておきます。

ピアノの保守点検とは調律師による【調律】【整調】【整音】という3つの作業から成り立ちます。調律の作業時間は約2時間、整調整音はかなりの時間を要します。保守点検の作業日数は2日間、通常1年に1〜2度を実施します(各会館により異なる)。
【調律】音の高さを合わせる技術をともなう作業。

調律は音の高さを合わせます。ピアニストにより音色の違いがあるのは弾き方(タッチ)の相違により生まれ、調律師も打弦の差によりそれぞれの音をもっていると考えられます。この打弦により、音の伸び、響きをつくることができます。ピアノの音に伸びをつくり、色彩感ある音にし、タッチを敏感にし、弾き心地の良さをピアニストに提供するのは、調律師のピアノに対しての考えが表現される技術です。私はあらゆるピアニストの強い打弦にも耐え、ずれない調律を可能にします。

【整調】アクションや鍵盤関係をメーカーの指定する基本寸法に調整し、弾き心地の良いタッチをつくる技術。

整調ではタッチの感触を良くする為、鍵盤関係、アクション部の摩擦抵抗を軽減する独自の技術を作業します。残念なことに、この作業は永遠ではなく使用頻度や温湿度変化にもより、1日1回使用したことによっても失われることがあります。従ってコンサート調律時に変化を感じたら、この作業がまた必要になります

【整音】弦を打つハンマーフェルトへの作業をし、発音を整えるピアノの性格や印象をも決める技術。

整音では、ハンマーフェルトに針を刺したり、削ったりします。打弦の強さの違いによる音色の変化を創り、色彩感あふれる伸びのある音を可能にします。熟練した技術と鋭敏な感性が必要で調律師のセンスが生き、個人差のあらわれる作業です。

ピアノを楽器として長持ちさせていく為には、温湿度管理(夏期温度23〜28℃ 湿度40〜55%、冬期温度18〜25℃ 湿度30〜50%)も重要ですが、説明しました3つの作業をともなう保守点検は必須です。この保守点検は調律師の集中力、技術、感性、創造性を集結させる作業です。

更に保守点検で完成した作業に加え、コンサート調律時には変化を修正し、維持していくことが必要です。これら一連の維持管理の目的は、ピアニストが演奏をする際に、抵抗感や違和感なく、自由自在に音楽表現ができるような最高の環境で弾けるようにすることです。私は、それを調律師としての使命と感じ、音楽芸術文化を陰ながら支えていく為、技術の向上と感性を磨いていきたいと考えています。